としくにの渋家とか会社とかいろいろある

渋家とか会社とかいろいろある

自分が考えてもいない方向に自分が変わった話

自分は捻くれている人間だなぁと思う。物事はナナメから見ているし、普段からなにかしら捻くれた感じでニタニタしている。
もはや大昔になってしまったが演劇をやっているときからそうだった。
基本的に人の一生懸命な姿をどこか面白いみたいな目線で見ていたなぁと振り返ってみて思う。
映画でもまっすぐなラブストーリーとか王道なものは全然見れないし、それはアニメだろうが漫画だろうが変わらない。こっぱずかしいというか、自分には合わないものだ、そんな感じに思っていた。

それがここ2年くらいで何かが変わってしまった。

1番最初は一昨年の夏に仕事でイギリスに行った時のことだ。日本からイギリスだと搭乗時間が10時間強。なかなか暇でなんとなく飛行機内についてる映画をぼーっと見てた。三本目くらいだっただろうか、特に何の意味もなく、邦画のベタベタなラブストーリーを見始めた。もちろん心はいつも通り捻くれているので暇つぶし以外の何者でもなく感動も何もしないと思っていた。
しかし飛行機に乗っているという状態が嫌いなので、いつもとは違って少しでも時間が早く過ぎるようにとストーリーにある程度集中しながら見ていた。
そして映画の終盤、ストレートに悲しい別れのようなシーンになったとき、恐ろしい事が起こった。

普通に感動して泣いてしまったのだ。

体験した事がないことだったのでなんなら少しテンパってしまった。ラブストーリーで感動して涙が止まらないなんぞ経験した事がない。しかも隣の席には仕事の同僚がいる。万が一見られでもしたら本当に恥ずかしい。なんとか誤魔化すためにその場で無理やりあくびを連発し、さもあくびで涙が出ましたのような振る舞いをしてしまった。

僕はその日を境に、いろんなものにストレートに感動するようになってしまった。

その後、この謎の変化にちょっとリアルに悩みはじめた。いったい何の変化なんだろうと。年をとったからか?みたいなことも考えたりもしたがあんまりピンとこない。
結構いろんなことを思い返したり、考えてみたりしたのだが結局よくわからなかった。

相変わらず捻くれた見方はそれはそれで変わっていないのだけれど、それに追加で感動するときは普通に泣くという謎の感受性が身についてしまった。

考えてみたら仕事でやっている音楽ライブでもちょいちょい感動して涙腺が緩みかけたりしていた。

まあ自分自身をナナメから見て、そういう自分もある意味面白いなと思い、ざっくり片付けた35歳。

自分が考えてもいない方向に自分が変わった話。